25年4月から定期接種となった帯状疱疹ワクチン
最終編集日:2025/4/7
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(水ぼうそうのウイルス)によって引き起こされる病気です。発症すると、神経に沿って帯状に赤い斑点と水ぶくれが現れ、痛みを伴います。皮膚症状が治まったあと、神経痛だけが長期間にわたって続く合併症「帯状疱疹後神経痛」が残る場合もあります。50歳を超えると発症者が増加し、発症のピークは70歳代といわれています。
帯状疱疹を防ぐには、帯状疱疹ワクチンの接種が有効です。ワクチン接種により帯状疱疹にかかるリスクを低くし、かかっても重症化しにくくなるほか、帯状疱疹後神経痛を残しにくいといわれています。
●2025年4月から帯状疱疹ワクチンが定期接種化
帯状疱疹を予防するためのワクチン接種は、50歳以上を対象にこれまでは任意接種で行われてきましたが、2025年4月からは定期接種の対象となりました。定期接種となることで、接種費用について国の補助が得られます。また、自治体によっては独自の助成が受けられる場合もあります。
定期接種の対象となるのは、①2025年度内に65歳を迎える人、②60~64歳でヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な人です。また、2025年度から5年間の経過措置として、その年度内に70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳となる人も対象となります。なお、100歳以上の人については、2025年度に限り、全員が接種対象となります。
定期接種は、住んでいる自治体で実施されるので、接種できる医療機関や費用、申し込み方法などは、各自治体ごとにホームページなどにより案内されています。
●生ワクチンまたは組み換えワクチンのいずれかを接種
帯状疱疹ワクチンには、「生ワクチン」と「組み換えワクチン」の2種類があり、接種回数、摂取方法、効果や持続期間、費用、副反応などに違いがあります。予防接種では、いずれか1種類を接種します。
生ワクチンの場合、接種は1回です。ただし、病気や治療によって免疫が低下している人は摂取できません。一方、組み換えワクチンは2カ月以上の間隔を空けて2回接種する必要がありますが、免疫の状態にかかわらず接種することが可能です。帯状疱疹の予防効果としては、接種後5年の時点で生ワクチンは4割程度、組み換えワクチンは9割程度の持続が報告されています。
どちらのワクチンを接種すればよいか、判断がむずかしい場合は、過去の病歴や現在の体調などを考慮し、医師と相談の上、検討するとよいでしょう。
※2025年4月1日時点の内容です。
監修
保健同人フロンティアメディカルチーム