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強皮症・全身性強皮症
きょうひしょう・ぜんしんせいきょうひしょう

最終編集日:2026/3/25

概要

全身性硬化症(強皮症、全身性強皮症)は、皮膚が硬くなる病気ですが、皮膚だけでなく全身の臓器も障害され、食道や消化管の蠕動運動の低下、肺線維症、腎機能低下などが認められます。膠原病のひとつで、多くの症例で自己抗体が検出されます。女性に多い傾向があり、30~50歳代に多く発症します。

日本リウマチ学会では、英語名 systemic sclerosisに合わせて、病名を「全身性強皮症」から「全身性硬化症」に変更しています。一方、指定難病としては、2026年3月現在も全身性強皮症の名称が使用されています。全身性硬化症は国の難病に指定されているため、医療費の補助を受けることができます。なお、限局性強皮症(※)は指定難病の対象とはなっていません。

※限局性強皮症は、おもに皮膚に限って硬くなる変化がみられる病気で、全身性硬化症のように内臓の障害を起こすことはありません。


原因

原因はわかっていません。免疫機能の異常と、線維芽細胞の活性化による線維化、血管障害の3つが組み合わさっていることが特徴です。

遺伝性疾患ではありませんが、病気のかかりやすさには何らかの遺伝的要因があるものとされています。


症状

初期症状にはレイノー現象があります。レイノー現象とは、冷たいものに触れたとき、手指が蒼白から紫色や赤色になる現象で、冬に多くみられ、初期症状として最も多いものです。全身性硬化症の特徴的な症状は、皮膚が硬くなる皮膚硬化です。皮膚硬化は手指の腫れぼったい感じから始まり、腕や体幹へ広がることもあります。ほかにも肺線維症、肺高血圧症による息切れやせき、食道や消化管の硬化による胸やけや胸のつかえ感など、さまざまな症状が現れます。

検査・診断

診察で皮膚の特徴的な変化を観察し、自己抗体のチェックを含めた血液検査や尿検査、さらにX線検査、超音波検査、CT検査などの画像検査を行って総合的に診断します。

治療

全身性硬化症の根本的な治療法は確立されていません。そのため、病気の進行をできるだけ遅らせたり、症状をやわらげたりする治療が行われています。一方、最近では新たな薬も使用できるようになってきました。

間質性肺炎にはステロイド剤や免疫抑制剤などが用いられています。近年、抗体をつくるB細胞を抑えるリツキシマブやT細胞、B細胞を抑えるミコフェノール酸モフェチルなども使用できるようになりました。また、胸やけに対して制酸剤などが使われることもあります。肺高血圧症には血管を広げる薬や間質性肺炎に対して線維化を抑える治療も行われます。


セルフケア

療養中

レイノー現象に対しては、指先や体幹の保温を心がけましょう。手指の切り傷などから手指潰瘍になることもあるため、けがにも注意が必要です。喫煙は血行不良や間質性肺炎の原因になるのでやめましょう。血圧が急激に上昇した場合は、腎クリーゼという腎臓が悪くなる病気の可能性があるので主治医に相談しましょう。

また治療中は免疫機能が低下することがあるため、うがい、マスク、手洗いなど感染症対策を行うとともに、発熱やせきの症状がみられたら、早めに主治医に相談することが大切です。

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監修

北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室 准教授/北海道大学病院 リウマチ・腎臓内科

河野通仁