赤ちゃんの皮膚は薄くて皮脂の分泌が少ないので、冬になり、寒さと空気の乾燥が強くなると、ほおや手足がカサカサしやすくなります。通常は、春になって暖かくなるとカサカサは目立たなくなります。

家庭でのスキンケアでは、入浴時、よく泡立てた石けんでやさしく洗うようにします。入浴後には保湿のために市販のベビークリームなどを薄く塗りましょう。また、母乳やミルク、よだれなどで顔が汚れたときには、強くこすらないように注意し、柔らかい布でやさしくふき取りましょう。また、抱っこのときに、お母さんの着ているものがほおにあたって刺激になることがありますので、衣類の素材にも気を配るとよいですね。

こうしたことに注意してもカサカサが治らない、赤ちゃんがかゆがっている様子があるときには、小児科で相談するとよいでしょう。

アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを慢性的（乳児期は2か月以上を慢性とします）に繰り返すかゆみのある湿疹のことで、多くは体質的な素因がある人に生じます。

体質的な素因とは、本人か家族の中に気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎などの病気の方がいる、またはIgE抗体（アレルギー反応に関係する抗体）を産生しやすい体質のことをいいます。

一般的に、皮膚の症状は左右対称に現れ、乳児期は頭や顔から始まった症状がしばしば、胸や腹、手足に広がっていきます。

ただ、アトピー性皮膚炎以外にも似た症状の病気もありますので、診断は慎重に行う必要があります。

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