肥満症治療薬GLP-1の処方を受けるには?

男性/40代
2025/04/15

肥満症治療薬のGLP-1受容体作動薬の処方はどこで受けられますか?

この質問への回答

医療法人青泉会 下北沢病院 糖尿病センター長

富田益臣

肥満症の治療薬として保険適用になっているGLP-1受容体作動薬のウゴービ(皮下注射)の場合、日本糖尿病学会、内分泌学会、日本循環器学会の専門医がいる医療機関、公立病院や大学病院などの教育研修施設を受診し、医師の処方を受けます。ただし、処方されるのは肥満症と診断されているだけでなく、次の3つの条件をすべて満たす人に限られます。

条件の1つは「2型糖尿病高血圧脂質異常症のいずれかがあること」、2つ目は「食事療法や運動療法を行っても十分な効果が得られていないこと」、3つ目は「BMIが27以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上ある、もしくは、BMIが35以上であること」がウゴービ使用の対象となります。

また、ウゴービによる治療は、通院開始後6カ月経過し、主治医から適応があると判断された場合に処方が開始されます。


なお、ウゴービを含め他のGLP-1受容体作動薬による肥満症治療は、自由診療(全額自己負担)として受けることが可能なクリニックも存在し、ダイエットや美容目的の人向けに、自由診療の範囲としてGLP-1受容体作動薬の処方を行う医療機関があることが問題となっています。また、海外から個人輸入などで入手することもできるようです。

しかし、肥満治療としての処方が国に承認されていないGLP-1受容体作動薬については、重い副作用が出ても国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。また、日本糖尿病学会からは、美容・痩身・ダイエットなどを目的とした適応外使用は避けるように勧告されています。その理由として、GLP-1受容体作動薬にはさまざまな副作用があり、また長期投与による安全性が十分に確認されているとはいえないからです。ダイエット目的の安易な購入や使用は危険だと心得てください。



※2025年2月19日時点の内容です。



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