PMSは女性の深刻な悩み
最終編集日:2022/6/29
腰痛、腹痛、乳房痛、過食、頭痛、動悸、むくみ、眠気、イライラ、不安感、うつ症状……。
月経前から症状が始まり、月経の開始とともに症状が消失する場合、PMS(月経前症候群)の可能性があります。月経の3~10日くらい前に始まることが多く、精神的・身体的にさまざまな不調が出現。症状を抱える女性にとっては深刻な悩みです。
PMSの原因はまだ十分に解明されていません。排卵から月経までの期間(黄体期)の後半に、何らかの理由で女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌が低下、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが関係していると考えられています。脳内のホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響を受けるため、他の要因も関係するといわれます。
症状の程度には個人差がありますが、思春期にPMSがより多いという報告もあります。生理周期や卵巣機能の正常な人にも起こり、精神状態が強い場合はPMDD(月経前不快気分障害)と診断されることも。治療では低用量ピルや漢方薬などが用いられ、症状に合わせて鎮痛剤やSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)なども処方されます。
日常生活での対処法としては、規則正しい生活を心がけ、疲労やストレスをためない、スケジュールにゆとりを持つ、軽い運動を行う、水分や塩分をとり過ぎないことなど。カルシウムやマグネシウムの積極的な摂取もよいといわれます。
日本では月経のある女性の7~8割に、月経前に何らかの症状があるとされます。生活に困難を感じるほどの強い症状を示す女性の割合は5%程度。生活にも影響しているような場合は、一度婦人科の受診をおすすめします。
監修
保健同人フロンティアメディカルチーム