腟カンジダ症ちつかんじだしょう
最終編集日:2021/12/21
概要
カンジダ菌とは真菌(カビ)の一種で、皮膚や口のなか、消化管、腟など人のからだのなかにもともと存在する常在菌です。通常は害を及ぼしませんが、高温多湿、免疫力の低下など特定の条件下で急速に繁殖することがあります。これが腟で起こると腟カンジダ症を発症します。
腟内だけでなく、外陰部の炎症を伴うことが多いので「外陰腟カンジダ症」ともいいます。25歳までの女性の約55%が経験するといわれる、ポピュラーな病気です。
原因
腟カンジダ症の原因であるカンジダ菌は、真菌(カビ)の一種です。
かぜや疲労、ストレス、あるいは免疫力の低下、抗生物質の投与、下着による蒸れなどがきっかけで繁殖し、発症につながります。
性感染症と思われがちですが、性行為によって発症する確率はそれほど高くありません。
症状
おりものの見た目と量に変化が起こります。白く濁った酒粕状、ヨーグルト状のおりもの、水っぽいおりものなどが多量にみられ、腟や外陰部にヒリヒリする痛みやかゆみを感じます。性交時の痛みもあります。
検査・診断
おりものを採取して顕微鏡検査、培養検査を行います。とくに培養検査は難治性かどうかを判断するための重要な検査です。
治療
抗真菌薬の腟錠、軟膏、内服薬などが処方されます。
セルフケア
療養中
腟錠での治療中はビデ(腟内洗浄)やタンポンを使用すると効果が弱まることがあるため、ビデは使わずタンポンはナプキンなどで代用しましょう。また性行為もパートナーに感染させる可能性があるので避けましょう。
病後
腟カンジダ症は再発しやすい疾患です。予防の項にある注意点を守り、体内常在菌のバランスを崩さないよう心がけましょう。
予防
カンジダ菌は温度や湿度が高いときに繁殖しやすいので、入浴、水泳後などは腟周辺を十分に乾燥させます。おりものシートなど衛生用品を使う際にもこまめに交換するようにしましょう。
かぜ、疲労、ストレスなどによる免疫力の低下に注意し、体調をコントロールすることも大切です。
監修
Raffles Medical Clinic Hanoi 婦人科
秋野なな